2015年08月06日
8月のオススメCD
ランチです。8月です。8月は、日本のサンビスタが貧乏になる月。正確には、いつも貧乏だけど、いっそう貧乏になる月。そんな8月でもCDは買いたいという、しょーもない人(俺です)のために、お届けします。
JORGE BEN “Samba Esquema Novo”
レーベル:UNIVERSAL MUSIC/JAPAN
品 番:UICY77231
発表年:2015年(1963年の再発)/ブラジル作品
価 格:1000円(税別)/国内盤
買った店:タワーレコード・ヨドバシアキバ店
ブラジル音楽の名盤が一枚千円で買える“Brasil1000”シリーズ、去年の夏にも出ましたが、好評だったらしく今年も発売になりました。千円でCDが出せるなら最初からそうしてくれよ、今までの俺の苦労は何だったんだよ、と文句のひとつも言いたいところですが、レコード会社も配信サービスに対抗するためにいろいろ努力しているのでしょう。今や洋楽の再発CDは価格千円が当たり前となり、買う側としてはありがたい事です。“Brasil1000”は、ボサ・ノヴァやMPBの超定番から隠れた名盤までバラエティ豊かにラインアップされておりますが、今回ご紹介するのはこの人、“ブラジルの長渕剛”ジョルジ・ベン(現、ジョルジ・ベンジョール)の記念すべきファースト・アルバム「サンバ・エスケーマ・ノーヴォ」(新しき街角のサンバ、とでも訳しましょうか)です。
この作品の特筆すべきところは、「マシュ・ケ・ナダ」のオリジナルが収録されている事です。セルジオ・メンデスやタンバ・トリオを始め、世界中で数限りなくカバーされている(日本でもザ・ピーナッツがカバーしました)、あの名曲です。ベンさんが本作でひっそりと発表した「マシュ・ケ・ナダ」は、1965年に、カーペンターズで有名なアメリカのA&Mレコードから出たセルジオ・メンデス&ブラジル66のファースト・アルバムに収録され、爆発的なヒットとなりました。他の国ではどうか知りませんが、日本のテレビ番組では、ブラジル絡みのシチュエーションで必ずと言っていいほど流れる曲で、その意味では、“夏・海”におけるビーチ・ボーイズの「サーフィンUSA」、同じくTUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」に匹敵するほどのポピュラリティを獲得している曲です。セルメンの「マシュ・ケ・ナダ」はみんな知っているけど、オリジナルを聴いた事のある人は、意外と少ないのではないでしょうか。セルメンとベンさんのオリジナルを聴き比べると、セルジオ・メンデスという 人のアレンジ能力の凄さがわかります。
本作は、その「マシュ・ケ・ナダ」を筆頭に、「チン・ドン・ドン」や「君のせいで」など、その後ベンさんの重要なレパートリーとなる曲がいくつか収められています。後の「タージ・マハル」のようなファンク・ロック色はまだなく、ジャケットから想像できるように、同時代のボサ・ノヴァを踏襲したまろやかな音になっています。しかし、サウゲイロに所属する父を持ち、無名時代にリオのジャズバーで酔っ払い相手に演奏経験を積んだベンさん(セルメンもその頃のミュージシャン仲間)らしく、タイトルのとおり新たなサンバを模索する独特のグルーヴ感は、すでにここで完成されています。
JORGE BEN “Samba Esquema Novo”
レーベル:UNIVERSAL MUSIC/JAPAN
品 番:UICY77231
発表年:2015年(1963年の再発)/ブラジル作品
価 格:1000円(税別)/国内盤
買った店:タワーレコード・ヨドバシアキバ店
ブラジル音楽の名盤が一枚千円で買える“Brasil1000”シリーズ、去年の夏にも出ましたが、好評だったらしく今年も発売になりました。千円でCDが出せるなら最初からそうしてくれよ、今までの俺の苦労は何だったんだよ、と文句のひとつも言いたいところですが、レコード会社も配信サービスに対抗するためにいろいろ努力しているのでしょう。今や洋楽の再発CDは価格千円が当たり前となり、買う側としてはありがたい事です。“Brasil1000”は、ボサ・ノヴァやMPBの超定番から隠れた名盤までバラエティ豊かにラインアップされておりますが、今回ご紹介するのはこの人、“ブラジルの長渕剛”ジョルジ・ベン(現、ジョルジ・ベンジョール)の記念すべきファースト・アルバム「サンバ・エスケーマ・ノーヴォ」(新しき街角のサンバ、とでも訳しましょうか)です。
この作品の特筆すべきところは、「マシュ・ケ・ナダ」のオリジナルが収録されている事です。セルジオ・メンデスやタンバ・トリオを始め、世界中で数限りなくカバーされている(日本でもザ・ピーナッツがカバーしました)、あの名曲です。ベンさんが本作でひっそりと発表した「マシュ・ケ・ナダ」は、1965年に、カーペンターズで有名なアメリカのA&Mレコードから出たセルジオ・メンデス&ブラジル66のファースト・アルバムに収録され、爆発的なヒットとなりました。他の国ではどうか知りませんが、日本のテレビ番組では、ブラジル絡みのシチュエーションで必ずと言っていいほど流れる曲で、その意味では、“夏・海”におけるビーチ・ボーイズの「サーフィンUSA」、同じくTUBEの「シーズン・イン・ザ・サン」に匹敵するほどのポピュラリティを獲得している曲です。セルメンの「マシュ・ケ・ナダ」はみんな知っているけど、オリジナルを聴いた事のある人は、意外と少ないのではないでしょうか。セルメンとベンさんのオリジナルを聴き比べると、セルジオ・メンデスという 人のアレンジ能力の凄さがわかります。
本作は、その「マシュ・ケ・ナダ」を筆頭に、「チン・ドン・ドン」や「君のせいで」など、その後ベンさんの重要なレパートリーとなる曲がいくつか収められています。後の「タージ・マハル」のようなファンク・ロック色はまだなく、ジャケットから想像できるように、同時代のボサ・ノヴァを踏襲したまろやかな音になっています。しかし、サウゲイロに所属する父を持ち、無名時代にリオのジャズバーで酔っ払い相手に演奏経験を積んだベンさん(セルメンもその頃のミュージシャン仲間)らしく、タイトルのとおり新たなサンバを模索する独特のグルーヴ感は、すでにここで完成されています。
Posted by あじゃさま at 15:35
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